常盤平蔵のつぶやき

五つのWと一つのH、Web logの原点を探る。

ユーラシア大陸の地平線に陽が沈む(25回)〜 中国に来てほぼ三週間が過ぎた

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地上21階の窓から
前回の更新からまただいぶ時間が経ってしまった。朝五時に起きて移動した先のホテルでまた、仮の住処を手に入れたわけだが、その部屋は地上21階だった。日本だとタワマンでも買わない限りこんなところで毎日寝起きする生活というのは出来ないと思うので、まずは貴重な体験として楽しもうと思っている。このホテルの21階は最上階であり、朝飯のビュッフェやジム、ランドリー、テラスなんかがあり、全てこの階で事が足りてしまうので大変便利だ。唯一困るのは、出勤時に地上まで降りなければならないが、朝ごはんでこの階に上がってこようとする他のお客さんのためにエレベーターが大変混雑するという事だろう。ここのエレベーターも2機しかないので、どちらも来ないと全く降りる事ができず、朝食を食べ終わった人たちとともにイライラしながら待つ事になるし、いざエレベーターに乗っても、途中の回で降りる人が沢山いると各駅停車状態になり、なかなか一階に辿り着けない。
一階の玄関の前には迎えの車が来ているのでそれに乗るだけで、会社まで運んでくれる。最初に中国に来る様になってからもう20年が経とうとしているが、車窓から見える風景は変わらないものもあるし、大きく変わったものもある。
 
変わらないもの
私が滞在しているホテルの周りは小綺麗なショッピングモールで、20年前なら深圳の特区にしか無かった様な場所だが、少し離れて普通の路地へ行くと、昔と変わらない雑然とした風景がある。地面は凸凹でそこに屯するおじさんおばさんは、20年前と同じ様な服を着て電動自転車(バイク?)や店先のプラスチックの椅子に座っている。
毎日工場の食堂で食べる料理の味も変わらない。肉は骨付きでさらにぶつ切りされているので、骨を吐き出しながら食べる必要がある。すべての料理に万遍なく油が使用されている。日本だと脂っこい料理は好きだが、沢山食べると胃もたれがするのが常なのだが、こちらではもうそれがデフォルトなので朝から広東風焼きそばと炒飯を食べても平気になってきた。ただしこれは、食べる量をセーブしているからかもしれない。結局は質より量の問題で、胃腸が処理できない量を食べることが体に負担をかけてしまうのだろう。
 
変わったもの
2年前にニンボーに出張した時もすでにバーコード決済、アプリによる決済がそもそも固定した店舗もない様な屋台ですら普及していたし、タクシーも滴滴出行(Di Di)を利用すれば料金をぼられることもなく、安全に利用できた。それがもう街中の至るところでWechat Payや Alipayが利用できる様になっており、むしろ現金は敬遠される様になっている。さらに店に入っても注文自体がWechatのミニアプリ上からする様になっており、決済もそのままできる様になっている。逆に昔だったら言葉が分からなくても現金を持っていて、メニューを見て指差しで注文すれば飯にありつけたが、それが出来なくなっている。いや、できなくはないのかもしれないが、恐らくアプリ注文と決済が出来ないことを店員に説明して、その上で注文して食べた後にAlipayで払いたいのだと説明しないと行けないのだと思う。KFCでも、カウンターに行ったら目の前のQRコードを示されて、これで注文しろと言われたのだ。目の前に人がいるんだからそのまま注文を受けてくれればよさそうなものである。この辺はまだまだ探索が必要だ。
20年前はこちらでの娯楽といえば夜のハードコアなお楽しみを除けば、海賊版DVDで映画を見ることか、PS2(香港で改造してプロテクトを外してあるもの)の違法コピー品や、ニンテンドーDS3DSの違法ダウンロードゲームで遊ぶぐらいしか無かった。あまり大きな声ではいえないが、コストをあまりかけずにエンタメソースが得られたが、今いる場所ではそういうものは少なくとも今のところ手に入りそうにない。まあ、そもそもDVD見ようと思っても、ノートPCに光学ドライブが付いていないし、ゲーム機を使わなくてもスマホでゲームできる時代になっている。私としてはスーファミからのゲーム好きなのでゲームハードでゲームがしたい。なので今回はSwitchを持ってきたのだが、こちらでペンキ塗り合戦にデビューしようと思って来る直前に奮発して中古ソフトを買ったものの、ネットワークの関係でロビーに入ってもマッチングしない事がわかり茫然とした。仕方がないのでだいぶ前に買ったもののやる時間がなくお蔵入りになっていた「ファイヤーエムブレム風花雪月」を引っ張り出してきて隔離期間中からちまちまとやっている。その前に3DSで遊んだ「ファイヤーエムブレムif」が本当に面白かったのでその勢いで買ったのだが、学園が舞台でプレイヤーは先生という設定が最初受け付けずに放置してあった。そういう意味では「ゼルダの伝説スカイウォードソード」も学園という設定が嫌でやらずに金色のコントローラーごと売ってしまった。今回の風花雪月を遊んでみて、食わず嫌いしないでスカイウォードソードもやった方がいいのではないかと考え直している。ちょうどこれもSwitchでリメイクされているので、風花雪月に飽きたら遊んでみてもいいかもしれないが、それぞれどの学級を受け持つかで少なくとも三回は遊ばないと全貌が見えない様だし、DLCも発売されているので当分遊び続けられそうだ。
話が逸れたが、エンタメソースもネット時代になってVPNを通せば動画配信のサブスクサービスもこちらで楽しむ事ができるし、ゲームの新作もネットから購入する事ができるので、国境を感じずにサービスを受けることが可能になっている。
 

 

 


健康コードの謎
もう一つ今回変わったものとしては、Covid-19対策として中国で実施されている「健康コード」の運用である。これは頻繁なPCR検査とセットなのだが、近くの地域で陽性者がでると、健康コード上で24時間、あるいは48時間以内にPCR検査を受けて陰性であったことを示す必要がある。近所のショッピングモールに入る時も各入り口に係員あるいはガードマンがいて提示しないと入れてもらえないのだ。
この健康コードのためのPCR検査を受ける時にはまたWechat上のミニアプリを使用するのだが、こちらが「核酸3」「核酸4」あるいは「核酸6」と毎回別のアプリを使用するように指示がある。なぜそうなのかは分からないまま、言われた通りにQRコードを読んでそのアプリを登録するのだが、その際に現地ので携帯電話番号とパスポートナンバーが必要なのである。おかげでそれらの番号は暗記してしまったが、なぜ末尾の番号が違うアプリになるのかは謎のままだ。この辺も今後の探索が必要なようだ。