常盤平蔵のつぶやき

五つのWと一つのH、Web logの原点を探る。

世界と繋がっていると感じるか?(CELLS!)〜中国で隔離された

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中国についた
中国に入国してから7日目になった。隔離期間としては6日目ということになる。渡航した日はカウントしないというのは、ビザも同じなのでそのほうがいいのだが、隔離期間に関しては1日でも早く終わって欲しいので、移動日もカウントしてほしいというのが本音だ。隔離さきのホテルで半ば強引に加入させられたWechatグループでも盛んに「一日多いけどどうしてだ?」みたいな書き込みが初日ぐらいには散見されたが、政府の決めたことなので何を言っても無駄だ。6日前に成田を出発して広州空港について、さらに隔離ホテルの部屋に入るまでを以下に簡単にまとめる。これから中国に行く人に何かの参考になればと思う。


成田から飛行機に乗るまで
成田にはフライト時間の2時間前に到着した。すでにANAのカウンターには長蛇の列ができており、カウンターを回り込んで保安検査場の前まで並んでいた。それには理由があって、同時刻に出発する三つの便が全て同じ列に並んでいたからのようだ。しかしチェックイン自体は自動機でやるので、まずその端末に行ってチェックインすると同時に荷物タグをプリントアウトして受け取る。それを自分の荷物につけて、列に並ぶ。列に並んでいる間に係員が巡回してきて、48時間、24時間の2回PCR検査を受けた結果を中国大使館が確認してグリーンになったコードを確認して回る。この時画面キャプチャーではなく、その場で動いているコード(QRコードの周りを4つの点がぐるぐる回っている)のを見せてくださいと言われるので、WEBページかWechatのアプリでそのページそのものを見せる必要があった。その列は荷物自動預け機に繋がっており、荷物を自分で端末を操作して預けるわけだが、この時に「顔パス」機能に登録しておくと、最後の搭乗時にそれが利用できる。あまり意味はない気がする。ただ、人との接触を避けるためだと思う。
その後第一の関門として、中国の健康コード登録がある。やり方はパネルに貼り出してあるのでそれを見ながらやるのだが、ここで既にWechatが必要になるのであらかじめ準備が必要である。そして、登録が完了してコードが出た画面を係員が確認するとやっと保安検査に行ける。
そのあとは今までと同じく保安検査をうけてから、出国審査、搭乗ゲートから搭乗という流れである。少し違うのは、ゲートを抜けたら機内で食べるパンと水の入った袋を渡される。今回乗った機材は787だったので、エンタメ設備も普通に搭載されており、映画や音楽も楽しめた。ヘッドホンは予め座席の前のポケットに入っていた。私は朝早かったのでパンと水を食べて眠った。ドスンという振動で目が覚めると既に広州白雲空港に到着していた。

 

広州空港到着から出発まで
空港に着いてもすぐには降ろしてもらえず、当局の指示を待つ感じだった。やがてアナウンスで降機できる旨が伝わり、みなさん整然と降りていった。座席は相変わらず一席おきに座っているので、満席でも半分の乗客しか乗ってないため、スムーズに降りられた。
降りてから空港内が異様な雰囲気なのに気がついた。売店とか、逆に搭乗する人とかそういう物が柵越しに見えるのが普通だが、全て無人でシャッターが降りている。歩き回っているのは防護服を着た人達だけで、ゴム手袋をしてビニール袋に入ったスマホをいじっている。まさに終末系の映画やドラマでよく見る、ゾンビやエイリアンに支配された世界の空港の様だ。成田ではそんな異様な感じはうけなかったが、さすが中国、ゼロコロナを徹底的にやるとこうなるということだと思った。
通路を進んでいった先で、ベンチが並んだ広場に一旦止められた。そこでいわゆる「入国カード」を渡されたので、記入しなければならないのかと思っていると、何やら列に並んで一定の人数を送り出している。私はペンを持っていなかったので焦って、周りにいた日本人らしき人にペンを貸して欲しいとお願いした。その方は快く貸してくださったばかりか、差し上げますと仰り、さらに「早く列に並んだ方がいいですよ」と言った。私は防護服を着た係員が何を言ったか全然わからなかったので並ばなかったが、そもそもここで入国カードを書く必要は実は全然なかった。いつも通り入国審査のところの前に書記台があり、そこにはヒモのついたペンが昔のようにある事を後で発見するのだが、この時は紙を渡されたら書くものだと思うのが人情だろう。
列に並んで一定数が送り出されていく先には、10台ぐらいの自動チェックイン端末の様な機械が並んでおり、その空いた一台に行けと指示された。チェックイン機と同じように手前にパスポートをスキャンするガラス面がある。そこにパスポートをおくと、下から切手大のシールが出てきた。説明パネルによるとそれをパスポートの裏表紙に貼るようだ。その場で台紙から剥がして貼り付ける。さらに進んでいくと、今度はまた行列ができている。その列に並んで待っていると、PCR検査のための採取場だった。通常であればどこかの廊下なのだろう。その廊下からドアを挟んで細長い部屋があり、それがさらに壁側だけ6個ぐらいの小部屋に仕切られている。その一つ一つにまた防護服を着た係員(医療関係者)がいて、順次あいた部屋に行くよう指示された。小部屋に入るとスキャナーがあり、先ほどパスポート裏に貼ったコードを読み込ませると、上にあるモニターにパスポートの写真付きのページが表示された。その顔と私の顔を見比べて確認したあとで部屋の隅にある椅子に座る様指示した。鼻から採取するのかと思い、マスクから鼻だけ出すと「Kou」と言われたのでさらにマスクを下げて口を開けた。日本で2回核酸採取を受けた時に、最初の病院で採取スティックをのどの方に突っ込まれてえずいた事を思い出したが、こっちへ来てからはかなり慎重に左右の舌と、口腔の辺りを擦るので、えずくことはなかった。
採取を終えたあと、さらに通路進んでいく。ここも照明も最小限でかなり終末感が漂っている。どこからか悲鳴や銃声が聞こえて来てもおかしくない感じだ。天井の高い広い場所に出た。ここは恐らく空港の入り口ロビーだったと思われる場所だ。また、柵で通路が作ってあり、その柵の反対側はガラス張りの部屋がずっと続いている。恐らくロビーにあった売店を利用しているのだろう。もちろんドアは完全に封鎖されており、そのガラスの中にはまた防護服を着た係員が数人いる。一番手前にまたすスキャナー端末があって、ガラス越しにまたパスポートの裏に貼ったQRコードを読ませるよう指示がある。指示通り読ませると、手サインで行ってよしと示めされる。その左側がガラスで右側が柵の通路を進んでいくともう一度QRコードを読ませる場所があり、それを終えるとまたさらに先へ進むことになる。恐らくロビーの広い空間の端と思われる所に出口が見えた。そこから外へ出ると高速バスが8台ぐらい並んでいた。その先頭に防護服を着た係員が立っておりこっちへ来い呼んでいるので行くと、荷物を荷台に乗せてからバスに乗れと言っている(と思う)。
 
バスで広州のどこかへ
バスの中も、全体的に白い粉が吹いたような感じだ。これは恐らく消毒薬を撒いたせいで、その成分が残って白い粉の様に見えるのだろう。しかし、内装が剥がれかけていたりして、まるで廃車置き場にしばらく置かれていた様に見える。これからゾンビが溢れる街中を突破しなければならない…… という雰囲気満点だ(違います)。バスには後でわかったが39人が乗っていたようだ。到着したホテルで作られたWechatグループにそう書いてあった。マスクはしているものの、身内では会話もできてそんなにシビアな雰囲気はしないが、よく見ると運転席は透明板で仕切られている。この客室自体が隔離されているのだった。
バスは高速道路に乗り山の中に入っていく。仮面ライダーだと、このままショッカーの秘密基地に連れて行かれて改造人間や戦闘員にされてしまう…… のだが、バスは山を抜けるとやがて高層ビルが立ち並ぶ街に出て、気がつくとホテルの駐車場にいた。しかし、この駐車時用自体がまた隔離スペースらしく、バスが入ったら素早く門が閉まり、乗客が全員降りると素早くバスは走り去った(と思う)。バスを降りた我々はまた、ホテルの入り口(裏口)につながる列に並んで受付の順番を待った。その間に先ほどのWechatグループへの登録用QRコードや、ホテル滞在隔離時の注意事項が書かれたチラシをもらった。さらにマスクを渡されその場で二重につける様に指示された。かなりしっかりしたN95マスクだった。

 

隔離ホテルへ到着
裏口から入ると、透明パネルと骨組みでできた急拵えの受付があり、そこで二人ずつチェックインをしていた。ここで先ほどの注意チラシに書いてあった通り、一泊600元(!)のシングル料金7日分4200元プラス当日の晩御飯代40元、4240元を払う。このあたりは、他の人で別の地域に行った際の話を聞くと、初日(カウントされず0日目扱い)は到着時間もまちまちだから、部屋に行ったらカップ麺が一つ置いてあっただけ、という話も聞いていたのでちゃんとした晩御飯を準備してもらえて良かったと思う。支払い時は最初Masterのクレジットカードを使用したが、うまく通らない。次にVISAのカードを渡すとすんなり受けつけられた。事前情報ではVISAがダメでMasterは OKだったと聞いていたのだが、逆だったようだ。これも、場所によってはどちらが有効かわからないので、両方のカードを持っていると安心だと思う。JCBは試していないのでわからない。支払いを終えて、部屋のカードキーをもらうと「B-825」と書かれており、この簡易受付の向こうの窓から見えるロビーの壁に「B楼」と書かれている。ということはここはA楼なのだろうと推測した。どうやってA地点からB地点までいくのだろう?……「恋のボンチシート」が頭の中で鳴りそうになるのを押さえながら、辺りを見回すと受付の横にエレベーターがある。エレベーターの横にある図によると、このホテルは想像通りA楼とB楼がありその間はロビーその他の部屋がある部分があるようだ。で、その図によると一度14階まで上がってロビーの真上にある部屋を突っ切って反対側のB楼へ行き、エレベーターで8階まで降りてから部屋へ行けばいいことがわかった。その際エレベーターに乗る人間は一回につき一人と書いてある。エレベーターに乗るとシャフトがガラス張りなのでロビーの様子が見える。ロビーは別世界で、隔離されていない普通のお客さんもいる様だ。14階について降りると「隔離されている世界」は相変わらずの終末感でA楼とB楼を繋いでいる部分はレストランか何かだったのだろうと思われる。人の姿は見当たらず、床の上には消毒薬の瓶や使用済みの手袋などが散乱している。机も椅子も壁際に寄せられており、窓際にはベッドのマットレスが積み上げられている。何があったのか?(コロナのパンデミックだが)なんの襲撃に備えているのだろうか?と思ってしまう。B楼へ辿り着き、エレベーターに乗ってドアが閉まるまでがやたら長く感じた。8階まで降りてドアが開いた。外に出てみるとやはり無人だが、何か気配がする。恐らく各部屋には隔離された人が居るのだろう。「825」の部屋を探して廊下を歩いている間も何かの視線を感じる……様な気がしたぐらいだ。部屋番号を見つけ、カードキーをかざしてロック解除して部屋に滑り込む。ふう、……ここまで来れば一安心だ。
 
隔離の日々
ひとまず隔離部屋にたどり着くことに成功したが、気を抜くことはできない。時間ごとにやることが決まっているからだ。
07:30 朝食配膳
08:00 核酸採取
08:00〜09:00 検温(数字を撮影してグループチャットにUPする)
12:00 昼食配膳
14:00〜15:00 検温(同じく)
18:00夕食配膳
19:30〜19:40 ゴミ出し(ただし最初の48時間はゴミ出し禁止)
というのが1日の基本的なパターンである。しかし、これだけではない。ここでもまた、これらの間を縫って核酸検査結果を反映した健康コードの申請があるのだ。まあ、そんなに切羽詰まったスケジュールではないけど。それに関してはまた次回。私が部屋に入ってまずしたのは、Netflixで「ブレードランナー2047」をみることだった。世界と繋がってると感じるか? CELLS!
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