常盤平蔵のつぶやき

五つのWと一つのH、Web logの原点を探る。

明日は「文学フリマ東京31」です

 

〇一年ぶりの開催
文学フリマには29から参加している。初めての参加ではKindleストアでのみ売っていた拙著「家電OEMの会社で働くあなたのための参考書」をリアル本にして販売した。それに味を占めて、表参道にあるシナリオセンターのクラスメイト達を誘ってシナリオアンソロジー本を作ろうと持ちかけた。沢山の方に賛同いただき、文学フリマ29では「創作シナリオ集1再会」を制作し、販売することが出来た。私はその時ちょうど杖道の大会と重なってしまい、言い出しっぺにもかかわらず、会場での販売には全くタッチできなかった。これがちょうど一年前の11月である。そして、第二号の原稿を集めて印刷所に入稿する直前ぐらいで中止の決定がなされたと思う。それでもとりあえず原稿も出来たし本だけは作ろうと言うことになった。そして今回である。そもそも参加するかどうかで団の中で意見の不一致があった。参加申し込みの締め切りは8月だったのでPCR検査の陽性者がピークを迎えていた頃だった。団員の総意として多数決で不参加が決まった。しかし、私としてはちょっと思うところがあったので、あえて個人の「常盤会」としての参加申し込みをしておいた。その目論見とは、秋頃になれば正直落ち着くだろうと言うものだったが、残念ながらその目論見は外れたと言わざるを得ない。

bunfree.net

〇一日の陽性者数500越えの中で
蓋を開けてみると、ここ数日の陽性者数は500人を超えており、8月時点でのその数よりも多いという誠に残念な結果である。だが、しかしである。文フリの実行組織は開催を断行してくれたようだ。HPの案内を読むとわかるが、今回の開催は様々な対策を行っているようである。接触をへらすために紙のカタログを配布しないというのは、事前に知っていたが入場者の検温や手指の消毒を行って、さらにアプリ「COCOA」のインストールされているスマホを持っていることを確認した上で、それらの作業が完了した入場者にはラベルを配布するようだ。面白いのはそのラベルの色が一時間毎に変わるんだそうである。それによって時間当たりの入場者数を把握するとともに、接触機会をコントロールするそうである。
会場ではカレーライスやコーヒーの販売があったが、それらももしかしたらないかも知れない。初めて参加したときからターリー屋のカレーは楽しみの一つであったが、今回は食べられないかも知れない。しかし、それよりも文学フリマが開催されることの方が重要だ。

www.thali-ya.com

〇Vol.3のテーマは「あと一日で消える…」
創作シナリオ集もついに3号である。今回のテーマは「あと一日で消える…」だ。各人それぞれが「何か」をあと一日で消えるものに設定し、それにまつわるドラマを描いている。収録作品(と作者)を以下に示す。

収録作品

ハーメルンの笛吹き」 MIKU
「カレー禁止緊急宣言」 マリンローズマリー
「砂嵐のあとで」 春雨ハル子
「いつかの朝に」 しらくもあおい
「辞める日に」 常盤平蔵
「名がある理由」 和田康友
「僕と僕らの軌跡」 朱雅夕季
「体感速度で考えれば、僕の人生はたぶん終わりのほうだ」 時計トキ魚
「天国と地獄の間(はざま)にて」 相田ヨネ
「ひとかけらのマジカル」 冬家弓彦
「マゼランの卵」 有崎努
「スライ@ハンドVol.3」 林田知
コマンダー」 葉山一
「ホームのふたり」 見咲花矢子
「なでしこ結婚相談所」 サミュエル・L・シュウイチ
「本日、最終日」 山田実樹

このうち、「天国と地獄の間(はざま)で」と「スライ@ハンドVol.3」 はVol.1、2に載っていた作品の続きである。もし前作を読んでいて続きが気になっておられる方はこの機会にぜひ続編を入手してみてはいかがだろうか。
小生もVol.1から続けて参加しており、今回も作品を掲載させていただいている。正直今回は正にシナリオセンターの研修科課題「刑事」で書いたものをほぼそのまま載せている。自分としては思い入れのある「舞台」を使って書いたのもので、それなりに手応えを感じたものである。

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〇Vol.4は?今後の活動は?
きっとVol.4もやるとは思う。しかし、次回の文フリが今回のように開催できるかどうかは恐らく明日の結果にかかっていると思うし、開催されなかったら次回こそ本を作るかどうかも怪しいかもしれない。
もし、明日の会場で新たなクラスターが発生した場合は、来春の32は難しくなるだろう。ワクチンなどが実用化されて、COVID-19自体の被害が社会に織り込み済みになれば話は別だが、その可能性もあと半年ではかなり低いようだ。
本当にいつもこのコロナ禍について考えるたびに、SFかなにかの設定を読んでいるような気分になる。しかし、確かに今は私が小さい頃にはSFの中にしかなかった21世紀であり、そんなSFのような現実を生きているんだと言うことを思い出させてくれる。Future is Nowだ。