常盤平蔵のつぶやき

ものづくりからもの書きへの転身を目指す文章修行のブログです。

杖道昇段審査について

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2018年3月18日に新宿スポーツセンターで東京都剣道連盟主催の杖道5段以下昇段審査会があった。杖道の昇段審査は一年に2回、春と秋にあるのだが、技能の習熟以前に、前の昇段審査を受けて合格してからの時間が次の昇段審査を受けるための条件となっているため、一定の期間を過ぎなければ昇段審査を受けることが出来ない。今回私は3段から4段になる審査を受けたのだが、それは3段になったのが丁度3年前の3月だったことを意味する。
結果は合格であった。無事に4段になれたのである。今回は正直無事に合格できて本当にほっとしている。その理由を以下に述べたいと思う。

##前回の審査
思い返せば三年前に3段の昇段審査を綾瀬の東京武道館第二武道場で受けたときは、全く落ちるとは思っていなかった。しかし、その頃4段をこれから受けるという先輩と直前に話したとき「(緊張で)ゲロ吐きそう」と言っていたのが印象的だった。私の目から見て十分過ぎるほど技が出来ていると思っていた先輩の発言だっただけに、内心かなりショックではあった。結果その先輩は見事合格したので、やはりあのレベルであれば合格するのだなと胸をなで下ろした記憶がある。

##自分でも納得できない日々
しかし、振り返って今回の審査の前の数ヶ月は、自分でもなんとなく納得できない日々が続き、稽古にもあまり身が入らなかった。本来4段審査の前には道着の袴を、入門したときから使っているテトロンの袴から木綿の袴に替えると言われていた。理由は、本来は袴は木綿であり、4段からは指導者の一部となると言う意味からも正式な装いをする必要があるからである。それも迷っている内に購入をお願いする時期を逸してしまい結局テトロンの袴のままで当日を迎えた。さらに、審査の2週間前には9本目の「雷打(らいうち)」という形をやっている最中に、相手の太刀先が杖尾を握った手の小指の先端に当たり爪が死んで真っ黒になった。当ててしまった相手にもかなり気まずい思いをさせてしまっただろうと思う。

##「もやもや感」の正体
そもそも「自分でも納得できない日々」とは何に納得できなかったのか。まず、審査を受けると言うこと自体にも納得できていなかった。それは前回の3段を受かったときに、単純に2段から一段上がったという喜びはあったが、自分の中で質的に何かが変容したとか、技の切れがグンと良くなったと言うことはなかった事が影響していると思う。
自分の問題であるとは思うが、正直3段になっても何も変わらなかったのである。稽古をしている最中にいろいろと細かい点で注意されることは沢山あるのだが、それが出来るようになっても、それは正しく型どおりの動作が出来るだけで、試合や審査では問題になる部分ではあるとわかっているが、では本来の技、武術としての質的な隔たりのある差なのだろうか?という「もやもや感」がその正体だったのだろう。

##質的な変化
ところが今回の4段への昇段は違った。その理由は「3段までとは質的に異なる領域に入ったと言う実感が持てた」からである。それには「もやもや感」として持ち続けてきたものが一つの形を結ぶことが出来たからである。それは「気合い」だ。

杖道は技をかけるとき「エイッ」あるいは「ホー」という打ち込むのと同時に出すかけ声がある。剣道でも面を打つときは「メン」、小手を打つときは「コテ」などと打つ場所を同時に呼称するという決まりがある。(関係ないが仮面ライダーなどの特撮ドラマで、技を繰り出すときにその技の名前を叫ぶが、これは視聴者にその技の名前を覚えて貰うためにあえてやっているのかと思っていたが、元々剣道でもやられていたことなんだなと思った。)杖道では円の軌道で出す技の時は「エイ」、直線的な軌道出だす技は「ホー」とそれぞれ叫ぶことになっている。(最近は体当たりも「エイ」になり、「ホー」が減ってきているが・・・)
私はこの「気合い」が何回も出していると、出なくなることがあり、声が裏返ってしまうと言う悩みを抱えていた。それを改善するため、先生からもいろいろとアドバイスを貰ってこれまでやってきたが今ひとつ完全にはなおらなかった。3段の審査の時は審査の時やる5本だけなのでなんとか喉が保ったが、昨年の大会などで、2、3回戦を勝ち進むと、最後の方は声が裏返ってしまうと言うことが起こっていた。やはり声が裏返ると自分でも気が抜けるというか、集中力が切れてしまい技全体がダメになるという問題があり、実は深刻な悩みだったのである。

##気合いの出し方
それが昨年秋に先生からの指導で「エ」と「イ」でこれまでと違う口の形、声の出し方をするようになり(詳細な内容はここでは説明できないので省略する)、気合いを出すことで体の中に不思議と力がみなぎる感じを味わうことが出来たのである。これが先生が意図した事かどうかはわからないが、自分なりに身体感覚として正しいと思えたので、少しずつ努力してきた。
最初のうちは、おそらくいままで使っていなかったインナーマッスルを使って声を出しているので、1時間ぐらい出しているとその発声方法が続けられなくなり、従来の声の出し方になって、やはり喉がかすれ声が裏返ってしまうという事が起きていた。これはやはりそのインナーマッスルを鍛えて行くしか無いと思って、稽古中とにかくその声の出し方だけに気をつけて続けてきたつもりである。それにより、昇段審査の前には2時間の稽古時間中その発声方法で「気合い」をかけても声が続くようになったのである。

##新しい世界
自分なりに納得できる「気合い」が出せるようになったことで、それぞれの技で手足、杖、太刀の角度や位置を細かく注意されることも、自分の動作に組み込んでいくことがスムーズに出来るようになったと感じた。私がそう感じているだけで、周りから見ている指導者の方々からはちっとも出来ていないではないかと思われているかも知れないが、それは今後も追求を続ける課題である。しかし、今後も杖道を続けていく上で最も大事な軸となる「気合い」と「身体」が一致している(様に感じられる)ことは一つの新しい領域に入ることが出来たのではないかと考えている。今後も精進を続けていきたい。

 

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