常盤平蔵のつぶやき

五つのWと一つのH、Web logの原点を探る。

MicrosoftとIntelの都合とわかってはいるが~ Windows11をインストールした(前編)

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2022年1月9日 15時15分 秋葉原駅 

十年に一度のその時が来た。秋葉原駅の中にあるそば一でかき揚天たま蕎麦を食べ終わると、すでに時計は3時半を指していた。Windowsアップデートを見るたびにあなたのPCはWindows11へのアップデートに適合していませんという表示を見続けるのにうんざりし、約十年使ったIntelのCPUを最新のものに取り替えてこの忌々しい表示が永遠に消えさることを願った。

 
Amazonの購入履歴を見ると2013年にWindows8Pro(アップグレード版)を買っている。その前は2009年にWindows7 Home Premiumを買っているので、その前のWindows Xp MCE(Media Center Edition)はそういえば今は同人誌売り場ばかりのAkibaカルチャーズZoneLAOXだったときにDSP版を買った記憶が今よみがえってきた。そのどこかで今使っているマシンのPCケースであるAntecのP182を買ってベージュ色の箱から真っ黒の静音性能の高いケースに入れ替えたんだと思う。それをどこで買ったのかは全然思い出せない。こんな重いものを秋葉原から担いで帰ったとは思えないので、どこかの通販で買ったに違いないのだが、一体どこで買ったのだろう?(Amazonの履歴にはなかった)その静音性の高かったはずのケースがここ数年は一度壊れたCPUの水冷クーラーを交換したときにラジエーターを既存のファンと付属のファンでサンドイッチにして取り付けたら冷却効率も高まるに違いない!……と思ったのだが、よくよく考えてみると二つのファンの回転数がずれていると風もスムーズには流れないし、抵抗ばかりが増えて、結果変な風音がするようになってしまった。
 
 
すぐに直せばよかったのにそのまま2年以上、先週まで使い続けてきたのだが、冒頭に書いたように毎回出る警告に飽きたため、通常の使用には全く支障のないにもかかわらず、PCの中身をアップグレードすることにしたわけだが、何分にも十年ぶりであるので、最近の自作PCの事情がわからない。一応日常的にネットの情報は横目で見ているので最近はAMDのRayzenがいいらしい、と言うぐらいのことは知っているが、ではRayzenの中でどのグレードを買ったらいいのかと言うことになると全くわからないので前日にAmazon Kindleで「自作PC虎の巻2022年版」を買って一夜漬けすることにした。
記事の中で「今後5年は問題なく使えるハイスタンダードなPC」という作例があったので、これをベースにすることにした。
そのモデル構成は以下のようなものだった。
 
CPU Ryzen 7 5800X (8コア 16スレッド)
メモリ Crucial CT2K8G4DFF832A 16GB
Graphic board ASUSTeK DUAL-RTX3070-O8G(Nvidia GeForce RTX 3070)
起動ディスク CFD PG3VND CSSD-M2B1TPG3VND (1TB PCI-Express 4.0 x4)
電源 Corsair Gaming RM650 (650W 80PLUS Gold)
マザーボード ASUSTeK TUF GAMING B550-PLUS 
 
ただし、これを全部そろえるとおよそ20万円になってしまう。そこで今回は当初の目的である「忌々しい警告を消す」事を最優先に考えて最小限交換しなければならないパーツ、CPU、マザーボード、メモリを中心に購入するという計画で秋葉原へ繰り出したのだった。一つ付け加えておくと、この時点では今回の要であるCPUの選択では「Rayzen一択」だなと思っていた。

2022年1月9日 15時45分 ツクモex本店

10年前はもしかしたらまだヤマダ電機に買われていなかったかもしれない。買われてしまってはいるが、店自体は10年前とほぼ変わらない様な気がする。店の前の歩道で客引きをしているメイド服を着た女の子も全く同じ人のような印象だ。もちろん別の人間だと思うので、10年前にここに立っていた同じようなフリルのついたメイド服を着た人は今頃何をしているのだろうかと気になった。
そんな感傷に浸っている暇はない。今日中に全てのパーツを選んで購入し、自分の手で運んで家まで持って帰るために残された時間は3時間ぐらいしかない。まずはCPUを決めるために4階まで駆け上がった。やはりまあ正月も松の内だったのでなんとなくのんびりしたムードが漂う売り場で、初売りセールの垂れ幕が下がっている中央の台を見た。売り場自体もIntelAMDで真っ二つに分かれており、それぞれのマザーボードが並んでいる。CPUはレジの後ろにしかなく、売り場に並んでいるのはそれぞれのCPUに対応したチップセットを持つ各メーカーのマザーボードだ。AMDの初売りセールのところにある垂れ幕に書かれた文字を読み、昨晩一夜漬けの上で選んだ「Ryzen 7 5800X」とマザーボードのセットがだいたい7万円ぐらいと言うのを見た。なるほど。あとこれにメモリを足せば残りは今のパーツをそのまま使えれば最小限の出費ですむかもしれない……と考えながらその棚をじっと見ていると、何か自分から引力でも出ているのか、店員さんが自分の周りを周回しはじめる。うーん。なんとなく決めきれないのでちょっと別の階も見てくるか……。
最上階に行ってケースを見ることにした。先ほども書いたように今使っているAntecのP182はすでに10年使っている。最近のケースのように側面のパネルが強化ガラスで中が見えるようになっているわけではないので、2年前取り替えた水冷のCPUクーラーがいくら1670万色で光ることができても、ケースの隙間から筋状の光が見えるか見えないかと言う程度だ。今回思い切ってケースも今風のに変えてみたいなーと、昨晩の参考書を読んでいるときにも考えていた。しかし、実際売り場に行くとどれも帯に短したすきに長しといった感じで、これだ!と思えるものが見つからなかった。
そこで再びCPU(とマザーボード、CPUクーラー)のフロアに戻ってきた。そして思い切って店員さんに、この初売りのセットで買いたいんだけど……そもそもCPUとマザーボード(とメモリ)を取り替えても、Windows10から11にアップグレードできるのでしょうか?と相談してみた。店員さんは、えーっと、そうですねたぶんできると思いますけど……と言いながら店内にあるPCのところへ案内されていった。なんと店員さんもググったのである。その結果、やはりできるだろうと言うことになった。そこでじゃあ、改めてこのセットでと言うと、今ならインテルの新しいCPUでも同じ値段でもっと性能がいいですよ、と言うのである。
実は私が前日の晩に一夜漬けした本が出た頃にはまだ発売されていなかった十二世代のCoreシリーズ(Alder Lake-S)というものが去年の11月頃に発売されていたのであるが、その事は全くその本には書かれていなかったのである。学生時代にもテスト前に一夜漬けなどしたこともないのだが、ヤマが外れるというのはこういう感じがするのだろうかと思った。そこで、しょうがないので急遽その店員さんからなぜ12世代のIntel CPUがおすすめなのかを聞くことにした。するとCPUがマルチスレッドで動くのはAMDも同じだが、Intelのほうは大変な仕事とそうでない仕事とを分けて、それぞれスレッドに割り当てるので、大変な処理をしている方は、邪魔をされずに処理ができるが、AMDのほうはどんな仕事も順番に割り振るので、大変な仕事をしているのに、小さな仕事に割り込まれて邪魔されて処理が遅れたりするというようなことが起きると言う説明だった。
ふーん、なるほど……なんか、その処理のしかたどこかで聞いたことあるなと思ってさらに聞いていると、WindowsというOSは基本的にIntelを基本にできているので、AMD把握までそれにパッチを当てて動くようなところがある。だから基本的な安定性に欠ける(だいたい聞いたままを書いています。正しいかどうかは……)ことがある、と。
しかし、それを聞いたときに、今のケースの前にAMDで自作機を作ったときのことを思い出した。確かに、ドライバーとかAMD用のもノが常に必要だったり、何か不具合が起きるとしばらくアップデート待ちのような状態になったりした。うーん。やっぱりWindows使うならIntelなのか……そういえばWindows11でもAMDではなんか不具合があったという記事を読んだ気がする。よし、値段もほぼ同じだし今度もやはりIntelにしよう!と昨晩の一夜漬けのことはすっぱり忘れてIntelCore i7 12700KFにすることにした。
その結果選んだCPUがLGA1700と言う新しいソケット(CPU自体が長方形)だったりして今持っているCPUクーラーが使えない(店員さん曰く、冷却能力が足りないとのことでもあった)とか、電源も650W→750Wの方がいいですよということになり、メモリはかろうじて初売りセールのものが買えたが総額10万超の買い物になってしまった。
最初から二重になっている巨大な紙袋に全てのパーツを入れてもらい、ツクモexを出て帰路に着くため秋葉原駅に向かった。すでに18時を過ぎていた。(後編につづく)