常盤平蔵のつぶやき

五つのWと一つのH、Web logの原点を探る。

「コブラ会」Season1を観た

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〇言い訳してもしょうがないのだけれど
最近ブログの更新が滞っている。その理由は色々あるが、単純に無線関係の本を読んだり機械の使い方を習得したりという時間の方が増えた結果、文章を書く時間が減っているからである。しかし、それでも書きたいと思うネタだけは貯まっていくのでなんとももどかしいのだが、ちょっと久々にこれはどうしても書いておかなければならないと思うことがあったので書いてみる。なんについてかというと、タイトルにもある通り、Netflixで観たドラマ「コブラ会」についてである。

 

www.netflix.com

 

〇80年代の映画「ベスト・キッド」のその後
たまたまNetflixをテレビのリモコンボタンで立ち上げて、何か面白そうなものはないかと思ってサムネイルを見ていると「コブラ会」という文字が目にとまった。最近流行の芸人かなんかがやってるリアリティ番組みたいなもの(それにしてもコブラって……?スタローンの映画か?)かなとおもって、説明文を読んでみると何やら記憶に引っかかるものがある。あれ?これってもしかして……と思ってるうちに再生を始めてしまうのがNetflixのずるいところである。さえない初老の白人男性がうだつの上がらない毎日を送っている描写が続く。え、もしかしてこの人が……?と思って観ているうちにそれが本当にそうだとわかる。映画「ベスト・キッド」の一作目でラルフ・マッチオに謎の顔面蹴りを食らって負けた「彼」の現在の姿なのだ。彼の所属していたKARATE(あえて漢字で空手とは書かない)チームの名前が「コブラ会」だったのである。

 

 

ベスト・キッド (字幕版)

ベスト・キッド (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

 

 

〇「ベスト・キッド」と言う映画の立ち位置
私が高校生の頃に同級生が自宅で親父の車を洗っていて筋肉痛になったと話していたので、そいつの父親はさぞかしでかい車に乗っているのだろうと思ったが、よくよく聞いてみると違うようだった。窓ガラスを拭いたりボディのワックス掛けをやるときに「ベスト・キッド」の真似をしてやってたからだと言うのである。ベスト・キッド?なにそれ?と言う話になってそれが映画だと言うことがわかった。その後テレビで何度も放送されて私も恐らく二作目までは見たと思う。三作目がどんな話だったかはよく覚えていないが、そもそもこの映画のストーリーは、その当時はやっていたジャッキー・チェンのモンキーシリーズやスタローンのロッキーシリーズを換骨奪胎して出来ていると言っても間違いではないだろう。そういう意味では、ジャッキー・チェンとウイル・スミスの息子によってリメイクされた「ベスト・キッド」の方がしっくりくる。だが、しかし、である。

 

ベスト・キッド (吹替版)

ベスト・キッド (吹替版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

 

 

〇ファンタジーKARATE
コブラ会」を見て思ったが、この映画に出てくる武術は日本、沖縄に古来から伝わる武術の空手ではなく、アメリカ人が考えるいわばファンタジーの「KARATE」である。実はオリジナルの映画でもそうだったのだが、そのことによってクエンティン・タランティーノが作ったヤクザ映画である「キル・ビル」のような不思議な世界観を形成している。その事を前提にベスト・キッドワールドを見ないと、何とも中途半端に見えてしまい楽しめないと思う。もしこれから「コブラ会」を観るのであれば、その事を頭の片隅において見た方がいいと思う。

 

 

〇Kobura Kaiとスターウォーズ新三部作
東西冷戦が続いていた80年代は、世の中は単純だった。西側にとって東側は悪であり、非道な手を使って我々を脅かしてくる。それを倒すことはどんな形であれ正義である……というようなことを盲信出来た時代である。しかし、考えてみればあの一作目で「不死鳥キック」で負けた少年にも人生があり、その後も生きて行かなくてはならない。この作品の制作者の中に一作目で主人公を演じた当のラルフ・マッチオが入っているのも、大変興味深い。
これは勝手な想像だが、やはりスターウオーズでルーク・スカイウォーカーを演じたマーク・ハミルも、その後もずーっとルークを背負って生きて行かざるを得なかったようである。ハリウッド版「強植装甲ガイバー」にちょっと出ていたぐらいでそれ以外の映画への出演を知らないし、俳優としての屈折も相当あったと思う。恐らく今回の新三部作でルークにキチンと映画の中で引導を渡すことが出来て、一番ほっとしているのはマーク・ハミルなのではないだろうか。それと同じようにラルフ・マッチオもあの映画の中での勝利者としての姿がその後の人生にずーっとのしかかっていたのではないかと思う。すでにパット森田は他界しておりこの世にいないが、「コブラ会」のなかで、まさにオビワンやヨーダのようにダニエルに語りかける(回想)シーンがある。

 

 

〇Strike First, No Mercy
コブラ会」のKARATEの教えは「先制攻撃と非情」である。映画一作目が作られた時代においては、そのような行動原理で攻めてくるのは東側陣営であると教えられていた。しかし冷戦中からその終結、その後を通してアメリカが世界中で行ってきたことは、むしろアメリカおよび西側陣営こそこの教えに従って行動していたと思う方が自然である。その結果が9.11を招き、さらには現大統領のアメリカ第一主義にも繋がっている様に見えてならない。あの勝利から34年後のダニエルは森田の言葉「バランスが大事」と言うことをもう一度噛みしめるのである。どのような流れでそのような境地に至るのか?そして再び「宮城流KARATE」と「コブラ会KARATE」の対決の結末は?(ここまでがSeason1)Season2(まだ観てません)ではどうなるのか?じっくり楽しみたいと思う。

 

本部朝基と琉球カラテ

本部朝基と琉球カラテ

  • 作者:岩井 虎伯
  • 発売日: 2000/08/01
  • メディア: 単行本