常盤平蔵のつぶやき

五つのWと一つのH、Web logの原点を探る。

「デス・ストランディング」をプレイした

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〇STAY HOME
コロナで「ステイホーム」が叫ばれる中、恐らくオタクと呼ばれる人たちにとっては、あらゆる活動がはかどってしょうがないと思うがいかがだろうか。「MITテクノロジーレビュー」の記事でフィル・コリンズの「In the air tonight」にあわせて「私は生涯をかけてこの時がくるのを待っていました」と歌う人の映像がTikTokで180万回(?)再生されたというような記事があった。実際にYouTubeでこの曲を聴いてみたけど最初は何を言っているのかよくわからなかった。いろいろ調べていくうちにこの曲自体の背景とか別の方向に脱線していきそうになったのでとりあえずそっちの追求はやめた。(興味のある方は曲名と歌詞で検索してみて下さい)要するに、家に引きこもっていたい人(オタクとかナードと呼ばれる人)は世界中にいて、「家にいろ」と言われた事の喜びを噛みしめて「私は生涯この時を……」ということのようだ。

 


Phil Collins - In the Air Tonight

 

〇絶滅の危機に瀕する人類
コロナウイルスのおかげで人類は絶滅することはないが、このゲームの世界はなにか大きな災害(?)が起きて、人々がバラバラになった北米大陸が舞台である。そこで主人公であるサムは「伝説の配達人」として依頼された荷物を配達する仕事をしている。ちょっと前のブログにも書いたが、ゲームの冒頭でいきなり「遺体」を「焼却場」に運ぶことを依頼されるという衝撃的な展開があり、それをゲーム内とはいえ徒歩で運ぶのである。途中BTと呼ばれる地底から湧き上がってくる亡者のようなものに襲われるわ、荷物配達中毒の盗賊に追っかけ回されるが、こちらにはほとんど対抗手段がなく逃げ回るだけなのである。その前にやっていた「DAYS GONE」に比べて、あまりにも辛い展開に心が折れて「十三機兵防衛圏」に行ったわけだが、その後改めて続けてみると、実はやればやるほど楽しくなっていくという中毒性の高いゲームだった。

 

 

 

 

 

 

〇エッセンシャル・ワーカー
コロナ禍によってにわかに脚光を浴びた言葉として「エッセンシャル・ワーカー」というものがあるが、正にこのゲームの主人公はエッセンシャルワーカーの一つとされる「配達人」であり、人々はそれぞれシェルターの中に引きこもって暮らしている。配達に行ってもホログラムでしか応対しないなど、まさに今の世相を先取りした展開だ。この世界にはウイルスが蔓延しているわけではないが「時雨」という浴びると、急速に浴びたものの時間を奪うという恐ろしい雨が頻繁に降っており、その雨や先ほどのBTという化け物を避けるためにシェルターに住んでいるという設定のようだ。そんな世界のなかで、人々をつなぐ配達人である主人公は正に必要かつ欠くべからざる存在である。このゲームを企画した小島監督が、まさかこのような事態を想定していたわけではないと思うが、やはり稀代のクリエーターは否応なく時代とシンクロしてしまうものなのだろう。

 

jinjibu.jp

 

〇ストーリーについて
恐らく、きちんとエンディングまでたどり着いて全ての物語を観終わったと思うのだが、残念ながらストーリーについては語ることが出来ない。それはやった人間の数だけある、というようなものではなくて、確かな演出に基づいて一つのドラマが展開されて、終結を迎えるのだがあまりに独特な世界設定と解釈が過ぎて、何を語っていいのかわからないのが正直なところだ。MGSVの時も途中から「寄声虫」という設定が出てきて、ちょっとついて行けなくなった事があったが、今回のゲームは正にそういう「設定」が前面にでており、そこをどう受け止めるかでストーリーについては印象が分かれるだろう。有名な俳優(ノーマン・リーダス、レア・セドゥ、マッツ・ミケルセンなど)や映画監督(ギレルモ・デル・トロニコラス・ウィンディング・レフン)が多数出演しており豪華な顔ぶれを堪能しながら小島監督の作った変な世界を存分に味わうことが出来る。

 

www.cinematoday.jp

 

〇やり終えた感想など
最初にも書いたように、このゲーム、進めていくと困難を乗り越えて荷物を配達することがもたらす満足感が、それ以外のゲームでは味わえない不思議な快感を与えてくれる。「DAYS GONE」でも、誰かに何かを届けるというミッションはいくつかあったと思うが、それをすることでゲーム内でのイベントが進みストーリーが展開していくために必要なアイテムだった。ところが、このゲームではサムが運ぶものは確かにゲームのストーリーを進める上で必要なアイテム(フラグ)というものもあるが、そうでない誰がそれを運んでもいいアイテムというものが存在する。また、いろいろな登場人物がなぜか落としてしまったアイテムというものもフィールド上に散らばっている。それを届けるかどうかはプレイヤー次第だ。そしてそれを届けるとNPCから感謝されるが、ストーリーの進行上必須というわけではない。また、ゲーム内のフィールドにある「国道」や「セーフハウス」などの設備は、自分だけでなく、現実のネットワーク(ゲーム内のカイラル通信ではなく)でつながった他のプレイヤーに感謝されるのである。このようにゲーム内の行動がゲーム世界を根本から変えていくという展開のゲームは希有であると思う。

 

 

【PS4】DEATH STRANDING

【PS4】DEATH STRANDING

  • 発売日: 2019/11/08
  • メディア: Video Game
 

 

 

〇再びステイホーム
この「公式に引きこもりが推奨される世界」が始まって、一旦は処分したテレビを購入した。そのテレビにNetflixボタンが着いていたので、その誘導にはまり契約してしまった。実はNetflixに入ったら見たいドラマがあったのだ。それは「ストレンジャー・シングス〜未知の世界〜」である。本当に面白いので、内容と感想に関しては後日書きたいと思うが、ドラマの舞台が80年代であり、正に「後ろ向きな興味」にドンピシャなのである。先日シーズン3の途中まで観たが、その中でヒロインがブレインダイブのようなことをした際に「ビーチ」に行くシーンがあった。これがただのシンクロニシティなのか、どこかでこのゲームの影響を受けたのかはわからないが、やはり優秀なクリエーターが作るものはどこかで通じ合っているのかもと思った。

 

www.netflix.com