常盤平蔵のつぶやき

五つのWと一つのH、Web logの原点を探る。

「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」を観た

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〇「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」を観た
12月の最初の週はベトナムハノイ)出張になった。先週の中国、深圳航空と違って、ベトナム航空は日本で言えばJALベトナムフラッグキャリアーだ。機材は最新型のB-787”Dream liner”だし、機内食も結構美味しい。その際ワインが提供されるのだがフランス統治時代にワイン文化が根付いているらしいので、結構ちゃんとしたワインが飲めると思う。機内のエンターテインメントシステムも充実しているので、最新の映画が観られる。残念なのは字幕まではベトナム語がデフォルトでそれ以外はほぼ提供されていない。なので日本語音声による吹き替えで観ることになる。その様な環境でこの映画を観た。普通は吹き替えでは観ないので違和感しかないのだが、ウエストワールドをAmazonプライムで吹き替えで見た時にも感じたが、役者の演技とセリフが同時に理解できるのは吹き替えの強みだと思う。

 

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タランティーノの『映画についての映画』
「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」は「映画についての映画」であるとあるサイトで紹介されていた。(どのサイトで紹介されていたのか見つけられないのだが・・・)これまでもタランティーノは基本的に「映画についての映画」を撮っていると書かれていたと思う。『映画についての映画」とはどういうことなのか?要するに「映画とは何かを語っている映画」と言うことだと思う。そう考えると今回の映画の賛否の分かれた結末も理解できると思う。
ブラピとレオ様が演じているキャラクターは二人とも架空の人物であるが、問題のシャロン・テートブルース・リーも出てくる。その中で実際の誰かというモデルもあるようだが、架空の人物が活躍すること自体がファンタジーで「映画」だ。映画というのはファンタジーを作るのが仕事だ。その裏舞台を見せてしまうと言うドキュメンタリー的な映画ではなく、それ自体をファンタジーにしてしまうのが今回の映画だと思う。

 

 

※ここからネタバレになります。

〇現実と異なるラスト
そもそも、私の年齢だとこの映画の一番中心となるネタ「シャロン・テート殺人事件」について衝撃を受けたり、関心を持ったりしたことがない。だから、アメリカ人がこの事件についてどういう思いを持っているのか機会があれば聞いてみたいと思っている。ただ、この映画のラストのようにシャロン・テートが殺されなかったら良かったとタランティーノ監督は思ったんだろう。そこで、自分が創造したキャラクター「クリス・ブース」と「リック・ダルトン」にその犯人たちをコテンパンにやっつけさせる。そして二人はその後シャロン・テートの家に招かれていく。その後タイトルが出る。「ーワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドー」と。

 

世紀末倶楽部 vol.1 特集:チャールズ・マンソンとシャロン・テート殺人事件
 

 

 

〇ファンタジーの登場人物
「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・・・」と言うのはおとぎ話の冒頭に使われる常套句だ。日本語なら「昔々あるところに・・・」というところだろう。劇の途中でブラピ扮する「クリス・ブース」がブルース・リーとガチで戦うシーンがある。ブルース・リーはクリスに軽々と投げ飛ばされてしまう。私は途中でそのシーンを見たとき「?」と思った。別にタランティーノ監督がブルース・リーをディスりたいと思ってるわけではないだろう。キル・ビルユマ・サーマンに黄色いジャンプスーツを着させている訳だし、なにより同時代に数々のスターがいた中からブルース・リーを選んで登場させている訳だから思い入れがない訳がない。ではあの展開はなぜなのか?それは「クリス・ブース」のファンタジー性を上げるためだったんだろう。ブルース・リーにも勝つ男なら、ヒッピー達にも勝てる(しかもLSDでラリった状態でも)と観客に思わせるためだ。まあ、そんな小難しいことを考えなくてもラスト近くで「クリス・ブース」と「リック・ダルトン」がヒッピー達をぶちのめして丸焼きにする様を見てゲラゲラ笑える。

 

  

ブラッド・ピットレオナルド・ディカプリオ
このブログでは書かなかったが先月「アド・アストラ」を観た。ブラッド・ピットの演技が素晴らしいといわれていたが、こっちの映画でのブラピ扮する常に冷静な宇宙飛行士は映画冒頭の緊急事態に際しても心拍数がほとんど平常と変わらないという化け物のような人間なのでなんとなくピンとこなかった。しかし、この映画でのブラピは落ち目になった俳優のスタントマン役という、そのまま別の映画の主人公にしてもいいようなキャラクターだったので、映画の中でしっかりとした存在感を持っていた。その反対にディカプリオは、ある意味パロディ的なキャラクターだった。恐らくモデルとなったクリント・イーストウッドとかチャールズ・ブロンソンの全盛期を過ぎた時はこんな感じだったのかと思わせるエピソードで構成されており、それを楽しそうに演じているところが好感が持てた。

 

 

 

〇今年最後のブログ更新
恐らくこれが今年最後のブログ更新になるでしょう。新年一発目はもちろん、待ちに待ったスターウォーズ・Episode9になると思います。皆さんよいお年をお迎えください。

 

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