常盤平蔵のつぶやき

五つのWと一つのH、Web logの原点を探る。

「演劇部5分前」を読んだ

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◯高校演劇の話です
表題のタイトルの漫画があるのだが、いったいどのぐらいの人が知っているのだろう?もしかしたら大変有名なのかも知れないので失礼な話をしているかも知れないが、内容を読んだ限りでは、そこまでメジャー感のある内容ではなかった。私はたまたま妹から送られてきたので読んでみたのだが、最初の数ページはかなり読む人を選びそうである。ただ、そこを我慢して読み進めていくと意外と(失礼!)それぞれのキャラクターが立っており、なぜ、三年生で部活?演劇部でないとダメなのか?ということが徐々にわかってくる。しかし、この導入部分はもう少しわかりやすくしてもよかったのではないかと思う。

 

演劇部5分前 コミック 1-3巻 セット (ビームコミックス)

演劇部5分前 コミック 1-3巻 セット (ビームコミックス)

 

 



◯「64」をAmazonプライムで見た
「64(ロクヨン)」は、横山秀夫の最高傑作という呼び声の高い作品で、自分としては「クライマーズ・ハイ」が本当に面白かったので、本・映画・TV版ドラマと全て見てかなり楽しませてもらった。きっとこの作品も面白いに違いないと思ってはいたものの、本も映画も上下巻、前後編と長大な作品であるためずーっと二の足を踏んできた。しかし、この度の台風19号の襲来により、家で待機している時間がまとまって取れた(というか、テレビ、映画を見るぐらいしかやることがない)のでついにこの映画を見ることにした。
表題の漫画の話の前になぜこの話をしているかというと、今回読んだ漫画の感想の枕としてなのだが、この映画、既にご覧になった方はご存知だと思うが、出演している役者が大変豪華である。主人公の佐藤浩一、被害者役の永瀬正敏、犯人役の緒方直人などいろいろな役者がその役柄で物凄い存在感を発揮している。佐藤浩一の妻役の夏川結衣などは、見ている方が怖くなるような表情の冴えを見せていた。まさに演技力のフルコースが味わえる感じだった。この、映画やドラマ、演劇などの作品の中での「役者の仕事とは何か?」というのがこの漫画のテーマだなと思ったからである。
結論から書いてしまうと、役者の仕事とは、二時間なら二時間の映画ドラマ演劇の間中観客の興味を惹き、作品の世界に引きずり込んでおくことである。その事をこの漫画の中で明確に指摘するシーンがあるが、なるほどと思った。

 

64-ロクヨン-前編

64-ロクヨン-前編

 

 

 

64-ロクヨン-後編

64-ロクヨン-後編

 

 


◯あらすじてきなもの
高校三年生になって後輩もいない(卒業してしまうと廃部)のに演劇部の活動に情熱を燃やすはみ出し者たちの物語である。在学中に廃部になりそうになり、その弾みで中部大会に行ってみせると言ってしまったことから、なんとか舞台演劇をやり遂げようとする……と言うのがあらすじだ。その中で重要な登場人物は、演劇部のなかで役者としての本質的な力を持つ〇〇〇〇と、プロの役者志望で高校を出たら本格的に女優になろうとしている△△△△である。何で〇〇や△△と書いてあるかと言うと、全三巻を読み終わった後でも名前が頭に入らなかったのである。これもやっぱりキャラクターという記号を読者に印象づける部分が弱いのかなーと思う。しょうがないのでWikipediaで調べたがページがなかった。更に仕方がないので漫画を読み直して〇の方が原田温子△の方が矢野涼香であると言うことがわかった。実際にはそれ以外の登場人物が複数おり、それぞれがそれぞれの事情を抱えている青春群像劇である。
最終的に演劇をある意味成功させる。それをもってこの物語は収束するわけだが、なんとなくすっきりしない結末である。漫画の連載は人気がなければ打ち切りというのもあるが、このお話は主人公が高校生でなくなる時点で終わりを迎えるのは必然なので途中でぶつ切れになったわけではないだろう。

 

〇あらためて役者の仕事とは
高校生くらいの頃に、そういう世界に興味を持ち始めた友人に誘われて、七ツ寺共同スタジオなんかに演劇を観に行っていたが、かなり頑張って集中していないと観続けていられないものから、何もかも忘れて喰い入る様に見つめてしまう舞台があったが、その差は恐らくそういうところにあったのだろう。また、確か森尾由美だったと思うが、たまたま券をもらったのか、何かの弾みでアイドル主演のミュージカルを見た時は、話はヘナヘナだったと思うが、やはりアイドルは華があるので見てしまう。観客を一定時間舞台や画面に釘付けにする事がまず第一に役者の仕事なのだなという事をこの漫画は教えてくれた。