〇Paperback writer
ビートルズの曲に「Paperback writer」というものがあると言うことをつい最近知った。いや、曲そのものは何度も聴いていたのだが、それがこういうタイトルだという事を最近知ったということだ。
Wikipedia「Paperback writer」
シナリオライターとか小説家とかになりたいと思ってる自分としてはもっと早く知っててもいいのではないかと思った。そういう意味で、今回読んだ「金閣寺」もなぜ今まで読んでなかったのか?と自分に聞きたくなる様な素晴らしい読書体験だった。
〇今流行の「Based on real story」
三島由紀夫の「全青春の決算」として書いたと裏表紙の紹介文に書かれている。ビートルズの曲もそうだが、やはり名作とかスーパースターの作品というのは素晴らしい。当たり前のことしか言えないが本当にそう思った。あらすじとかネタバレとかは特に書かない。解説や評論はそれこそ今までたくさん書かれているだろう。それぐらいいろいろと突っ込みどころというか、考えさせられるところも多かった。私が独自に感じたのは森見登美彦の「太陽の塔」を思い出したと言うことだ。舞台が京都だからかもしれないが、主人公の独白という形式も似ている(本当にそうだったかは確かではない)気がする。確かあの小説でも太陽の塔を擬人化というか怪物というかそういう書き方をしていたと思うが、金閣寺も同じように主人公に襲いかかるのだ(いや、少し違うか)きっと「太陽の塔」は「金閣寺」に影響されて書かれたのではないかと言う想定の下に検索してみたら、確かに森見登美彦さんは「金閣寺」を既に若い頃に読んでおり、その感想文を学校で褒められているようだ。やはり作家になる人は違うなと思った。私も確か学校の課題図書で読むことが義務づけられていた気がするが、学校で無理矢理買わされて以来ずーっと実家の本棚にしまわれていたのだった。先日ブックオフ(問題といいながらも利用しているのである)でも一〇〇円コーナーにあるのを見たが、実家にあった奴とは表紙のデザインが既に変わっていた。
http://www.webdoku.jp/rensai/sakka/michi65.html
〇説明が上手い文
そもそも、三島を読んでみようと思った理由は、やはりしばらく前に読んだ「橋本治と内田樹」の中で三島由紀夫も説明が上手い文を書くと書かれていたからだった。たしかに今回の「金閣寺」でも場面、情景が明確に想起されるし、歴史的な事実、例えば金閣寺がどのような理由で誰が建てたなどもわかりやすい文で書かれてる。大変勉強になった。
〇文学を読めるようになったのは
恐らく、シナリオを勉強したからだと思う。物語の構造など読む上でメタとなる情報を読み取れるようになったからだろう。この調子で次は川端康成の「山の音」に挑戦する予定である。