常盤平蔵のつぶやき

五つのWと一つのH、Web logの原点を探る。

「リメンバー・ミー」を観た

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5月6日に吉祥寺オデオンで14:05の回に「リメンバー・ミー」を観た。予約して決済した後で吹き替え版ということに気がついたが、後の祭りだった。しかも、同時上映として「アナと雪の女王・王国のクリスマス」みたいなおまけ上映があった。その結果、私の横には小学生ぐらいの女の子が一人で座っており、キャラメルコーンを食べながら映画を鑑賞していた。お陰で私は隣の少女の口から漂うコーンスナック特有の甘ったるい香り付きで鑑賞することになった。

オデオンは、なんというか、本当に古き良き(悪しき)映画館の要素が今も健在なので、どうしてもノスタルジックな気分になる。シネコンばかりの現在こういう形の映画館はどんどんなくなって行くだろう。吉祥寺にはもう一軒先日「グレイテストショーマン」を観た吉祥寺プラザという映画館もあるが、大事にしなければと思う。

 

 

##アナと雪の女王
最初にまず、アナと雪の女王のその後のストーリーを描いたものを見た。正直あの雪だるまのオラフというのは、酷い外観(というかキャラクターデザイン)だと思うが、その声を当てているのがピエール瀧なのである。おそらく本編の方でもそうだったと思うが、なんかあの喋り方を聞いていると苛立ちを感じるのはなぜだろう?とにかく無理やりオラフに問題を起こさせて、それが解決するというマッチポンプな展開で小学生でなくてもスナック菓子を食べながらでないと観ていられない内容であったと思う。

 

東ハト キャラメルコーン 80g×12袋

東ハト キャラメルコーン 80g×12袋

 

 

##リメンバー・ミー
こちらは、前評判から泣ける話と聞いていたので、ハンカチは用意して見始めた。

「死者の日」というものがメキシコにはあって、その日は一年に一度死んだ人が現世に戻ってきて家族や子孫と一緒に過ごす日ということだが、これはキリスト教的にはない話だろう。しかし、我々日本人はまさに「お盆」という風習があり、一年に一回死んだ人や祖先の霊が戻ってくるというストーリーを信じている。今回の映画の最初の方でそのシステムが明快に説明される。

まず①死んだ人が現世に帰ってくるには生きている時に一緒に過ごした人がその人のことを覚えていて、祭壇に写真を飾っていなければ死者の国を出て現世につながる橋を渡ることはできない。

また、②メキシコでは小動物(犬、猫、鳥、トカゲなど)が魂を導く精霊みたいなものを兼ねており、死者の国にも自由に行き来できるし、霊も見えるということになっているようだ。

そして③死者の国に行った人は、現世にいる人が一人もその人のことを覚えていなくなった時点で「二度目の死」を迎え死者の国からも消滅する。

##この映画のストーリー(ネタバレです)
このリメンバー・ミーの物語の中では主人公の少年は音楽が好きで音楽で身を立てて生きたいと考えている。
ある年の死者の日、広場で音楽コンテストが開かれることになった。そのコンテストに出て、自分の音楽の才能を家族に認めさせたいと思い、そのことを家族に訴えるが聞き入れてもらえない。
その家族の先祖がミュージシャンを志して家を出たことで、一家は稼ぎ頭を失い、遺された母が靴職人として家族を支えた。そのことからその家では音楽は禁止になっているのだ。
その先祖のミュージシャンが、少年の憧れの人である国民的に有名ミュージシャンではないかという情報がもたらされる。主人公はこれまでその人のビデオを観ながらこっそりと音楽の練習をしていたのだ。
どうしてもコンテストに出たい主人公は、憧れの、国民的に有名なミュージシャンの墓にあるギターを盗んでコンテストに出ようとする。自分の先祖であると考えているため、許されると思ったのだ。
しかし死者の日に死者のものを盗んだということで、呪われ、死者の国にいってしまう。そこで、主人公の祖先のミュージシャンがどうして家族と離れることになったかという謎が明かされる。
実は国民的に有名なミュージシャンに曲を提供していたのが先祖のミュージシャンであり、彼は本当は家に帰りたかったが、その国民的有名ミュージシャンに殺されたために家に帰れなかったのだった。
そのことを死者の国で知り、現世のそれ以外の家族に伝えたことで、音楽をやることも許され、末永く幸せに過ごしました、めでたしめでたし・・・という話だった。

リメンバー・ミーでは、家族全員が「ミュージシャンの先祖は家族を捨てていったので、音楽はロクなものじゃない」というストーリーに取り憑かれていたが、死者の国を冒険して真実を持ち帰った主人公によって、その呪いから解放されたという話とも言えるだろう。

正直、映画が終わって明るくなるのが大変困った。前回の「グレイテスト・ショーマン」の時よりも涙を流していたのはなぜだったのか?正直よくわからない。死者の記憶をたどるとき、楽しかった思い出しか浮かんでこないからかもしれない。それが永遠に失われたことを再認識するとき、人は涙するのだろう。