常盤平蔵のつぶやき

五つのWと一つのH、Web logの原点を探る。

健康診断の結果

健康診断の結果を皆さんはどのぐらい真剣に受け止めているだろうか?

最近書店で以下の本を見つけたので買ってみた。

 

健康診断は受けてはいけない (文春新書)

健康診断は受けてはいけない (文春新書)

 

 正直40過ぎてからコレステロールが高い、肝臓の値が悪いなどいろいろ「要精密検査」というコメントが付いている項目があるようになった。

一度それで、血中の脂肪分が多い(疑いがある)ので精密検査に来いという知らせが、健康診断を受けた病院から来た。もう何年も前のことだが、それで時間をとって病院の予約をして、実際にその精密検査というものを受けてみたのだが、やったことは同じように採血してその結果と、問診だけであった。そのあとで、看護師だか保健師だかよくわからない年配の女性に

「缶コーヒーは飲みますか?」

「そうですね、飲みますね」

「一日に何本?」

「まあ、一本か二本ぐらいですね」

するとその年配の女性は勝ち誇ったように

「缶コーヒー一本には砂糖がどのぐらい含まれているか知っていますか?」

と言った。ようするに糖分をたくさん採るとその結果血中に脂肪が増えるという話だった。

「缶コーヒーでもブラックなら問題ないのですね?」

「問題ありません。これからは缶コーヒーを飲むならせめてブラックにしてください」

「わかりました」

しかし、話はそこで終わらなかった。

「お酒は飲まれますか?」

「そうですね、飲みますね」

「一日にどのぐらい?ビールですか?日本酒?」

「まあ、缶ビールなら一本、お酒なら1合ぐらいですね」

「アルコールを飲むとやはり血中の脂肪が増えるのです」

「そうなのですか。しかし、飲まないとやってられない日もありますよね?」

「・・・まあ、ほどほどにされたらいいでしょう」

というようなやり取りをして終了だった。

結局その後、何か薬を処方されるわけでもなく今まで通りの生活をしている。

これはいったい何なのか?

冒頭の本のタイトルを見てピンと来たのだが、要するに健康診断というのは病院にとって潜在的顧客を探すプロモーション、マーケティングなのである。

2年前に千葉から引っ越してきて去年から東京で働いているので、健康診断も東京の病院で受けるようになった。最初の年は東京の病院は丁寧にやるなあ、細かいなあと思っていたが当たり前である。土地の値段から、働く人間のコストまで押しなべて千葉より高い東京だ。その分どこかで稼がなければならない。そこで微に入り細に入りケチをつけられるところを調べ上げて、顧客として迎え直したいのだ。

バリウムのレントゲンを千葉で受けていたときは、専用のバスであったこともあるのだろうが、ぐるぐる回されている時間はせいぜい10分ぐらいだろう。しかし、今回東京の病院で受けた時はたっぷりその倍はぐるぐる回されたと思う。なんだかやたら丁寧に見ていると思ったが、その分レントゲンを浴びていたのだからかえって体に悪そうだ。

そして、今回の健康診断の結果に「胃下部隆起の疑い」といういちゃもんがついていた。胃カメラを飲めというのである。私の知り合いで、どうせ異常があったら胃カメラを飲むことになるんだから、バリウムなんて絶対飲まないという人がいたが、それが正解だ。こうやって二段階でやっているのも、少しでも検査代を稼ぐための手段だろう。私も来年からは最初から胃カメラを飲むことにしようと硬く決心した。