常盤平蔵のつぶやき

ものづくりからもの書きへの転身を目指す文章修行のブログです。

「コーヒーショップライフテクノロジーズ」を読んだ

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〇あらすじ
知り合いから表題の小説があるが、自分は読む時間がないので読んで感想を聞かせて欲しいという連絡が来た。その小説は投稿サイトのカクヨムで公開されている小説だった。内容の紹介は実際にサイトにある要約を読んで貰った方が確かだが、私なりにごく簡単にまとめると、若者が大人に一度はひどい目に遭わされるが、艱難辛苦の末に社会的成功を得ると同時に自分たちを窮地に追いやった人間に対しても一泡吹かせるという話だ。

kakuyomu.jp

ポスドク問題
この物語のメインテーマである「ポスドク問題」というのは、恐らく一般の人には理解されがたいだろう。なぜ、高学歴の人間が職にあぶれるのか?その辺のことは「高学歴ワーキングプア」という本に詳しい。

 

高学歴ワーキングプア  「フリーター生産工場」としての大学院 (光文社新書)

高学歴ワーキングプア 「フリーター生産工場」としての大学院 (光文社新書)

 

 


しかし、この物語の素晴らしいのは、文部科学省の政策によって修士号や博士号を持つ人間を闇雲に増やしたことだけに問題の責任を求めるのではなく、当事者となった人間達、すなわち曲がりなりにも博士号を取得できるような頭脳を持っているのであれば、自分で自らを救う道もあるのではないか?と言う視点だろう。物語にも沢山出てくるが、起業や創業を支援する制度は沢山あるよ、と言うことだと思う。


個人的に話として私もこの物語に出てくる若者達のような立場になったことがある。しかし、私が世の中に出たころは、先述した本もまだ出たばかりで、この物語にも書かれているような「博士号持った人間が余っている」という状況が起き始めたばかりだったこともあって、そのような人間に対する補助の制度もなく、社会的な認識もいまよりもかなり薄かった。そこで私はあっさり研究者として生きる道を諦め、ものづくりの世界へ飛び込んだのである。その後十年間、家電OEMの会社で働いた経験は拙著にほとんど書いたつもりだ。私がこの物語に出てくる登場人物達のように優秀で、何より研究がしたいと言う人間だったならば、また選択肢も違ったかもと言う観点からも読ませて貰った。

 

 

家電OEMの会社で働くあなたのための参考書
 

 

〇誰が書いているのか?
ここから先は興味本位の推測話になる。物語の舞台が関東、東京であることから、その地域の学生であった人であることは間違いないだろう。そして、バイオあるいは医学関係の研究をしていた人であることもほぼ間違いないと思う。しかし、それ以上のことはわからない。半沢直樹なみに面白い展開なので、いずれどこかの出版社かもしくはドラマ化の企画があればどのような経歴の作者かわかると思うので楽しみにしたい。

 

半沢直樹 -ディレクターズカット版- DVD-BOX

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〇Reboot
今、カクヨムで公開されているのは本編とRebootと言う二つのパートがあるが、まだRebootのほうは継続中のようだ。こちらは本編で悪役側で印象的な役柄を演じていた人物によるコーヒーショップライフテクノロジーズへの復讐物語になっているようだ。そして本編にはなかったアダルト要素(?)がかなりアップしていて読めば続きが気になる事間違いなしである。作者であるトクロンティヌスさんには是非続きを発表して欲しいと思う。