常盤平蔵のつぶやき

ものづくりからもの書きへの転身を目指す文章修行のブログです。

トムの手

TEDでJJエイブラムス監督の話を見た。大変感銘を受けた。

「E.T」は離婚の話、「ダイ・ハード」も離婚の話、というくだりはある意味アメリカ映画はすべて家族の話というとらえ方からすると、家族にとっての危機=離婚なので当たり前なのかもしれない。

そのあとで「ジョーズ」は何の話なのでしょう?というくだりがあって、男が新しい街でやっていけるのか?試練と再生の話なのだというのも、まだ家族の大黒柱=男、父親だった時の話なのでやはり家族の話なのだろう。

やはり人間というのは一人ではなくまず一番近くで家族とつながっている。物語の基本は人間だが、人間は家族を持っているものなのだ。たとえ一人であっても、その背後には必ず家族、親、兄弟がいるのである。

www.ted.com

タイトルにも書かれているが「謎の箱」というたとえがとても良い。それが何かはこの動画を見ていただければすぐにわかることだが、これって「旅人のカバン」の話と同じだと思う。ただ「謎の箱」のほうがいろいろと応用が利くんじゃないだろうか。

汎用性がありすぎて特定の作用をもたらすことがなくなる危険もあるが、より高度な概念運用としてはありだと思う。

何のための概念運用か。もちろん物語を作るためである。

動画の中でエイブラムス監督はスターウォーズエピソード4の冒頭を説明しながらいう。女性が何かをロボットに託している、これも謎の箱。その女性は何者なのか?実は反乱軍のリーダーでありお姫様である。これも謎の箱。ルークはベン・ケノービに会う。実はベンはオビ=ワンだった。これも謎の箱。

「謎の箱」とはその人のキャラクターのことであり、箱の外側からは中に何が入っているか見えません。そこから少しずつ中身が見えてくる。人物の行動によって中身(キャラクター)が明らかになっていく。

これは最近読んだシド・フィールドの「映画を書くためにあなたがしなくてはならないこと」に書いてあったことと全く同じで、それをわかりやすく言い換えたものだと解釈できる。

映画を書くためにあなたがしなくてはならないこと シド・フィールドの脚本術

映画を書くためにあなたがしなくてはならないこと シド・フィールドの脚本術

 

 もう一つ、テクノロジーも謎の箱、イマジネーションをわきおこすと同時に、そのイマジネーションを実現する道具として我々の前に存在するし、それは今スマホのカメラですら昔の大きなビデオカメラよりも画質もよいし、それらを編集するソフトも一般の人が手に入れることが出来る時代になったと言っていた。

だが、最後で「トムの手」の話である。このトムはもちろんトムクルーズのことなのだが、ミッション:インポッシブル3の中で鼻の中に爆弾を入れられるシーンが出てくる。この時、もちろん爆弾を入れるのは悪役の俳優なのだが、その人にやらせると加減がわからない。そこで画面外に肘が見切れるように撮ることで、トム自身にその動作をやらせると言うアイディアを思いついたのだ。

そこで最後に「大事なことなので三回言いました!」と言わんばかりに「トムの手!x3」というのだが、やはり面白い映画を作るのはアイディアなんだなと痛感させられた。

 

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