WEBをみていたら見慣れない単語「スローテレビ」が目に入った。
スローフードやスローライフなど生き急いでいる現代人にスローであることの価値を再認識させてくれた単語「スロー」だが、スローテレビとはいったい何なのか興味を持った。
上記の記事を読まれたわかると思うが、加工やナレーションを一切着けないで長時間その現象を写し続けるものがどうやらスローテレビと呼ばれるようだ。
確かに暖炉で燃える薪を8時間延々と写すというのは前代未聞だろう。マックのアプリにも暖炉で燃える薪の様子を再現したものがあったので、なんとなくそれをぼーっと見続ける気持ちというのはわかる。
以前いた会社で作っていた、暖炉の模型が付いているヒーターがあった。日本では売ってないが外側が木のケースで出来ていてアーミッシュが一つ一つ作っているというというような触れ込みであったが、中身はPTCヒーターとアルミの小さなファンが付いているだけでほんのり暖かい程度だが、それでも売れていたらしい。
たき火を見ていると安心するのは、人類が火を手に入れて肉食動物から身を守れるようになったからだと言う説もどこかで聞いた気がする。その辺から考えるとやはり人類は今強い不安の中にいるのかと思ってしまう。
もちろんスローテレビは暖炉だけではないので、それが注目を集めている理由ではないかもしれないが、今日本の地上波でやっているコメディアンやタレントが騒がしいだけのバラエティ番組ではなく、ただ暖炉や運河を進む様子を延々と見続けるというのは見る側にその映っているモノに心情的に参加すると言うことが必要になるようだ。
「スローテレビ」を成功に導いたNRKのプロダクション・マネージャーであるThomas Hellum(トーマス・ヘルム)によると、文化的に共感を呼ぶテーマを選ぶことが重要だという。そして、あえて映像に手を加えないで放送することで、視聴者が自分なりのストーリーを作れることが大事になると語っている。
今にドローンが世界中を飛び回り、空からの映像を延々と見られる日が来るかもしれない。世界中の人がトゥルーマン・ショーになってしまう日が来るかもしれない。
時間も場所も違う人々が、共感できる人々や現象を見続ける。そうなったら地球も共感の下に一つになって平和になるのだろうか。