昨日の続きで、まだ全体の3分の1ぐらいしか読んでいないのだが、本文中に「完全無欠(Bulletproof)のレシピ」とか「完全無欠のコーヒー」という文が頻出するのがどうにも違和感を感じる。まあ、本を売るためにはそのぐらいの売り文句でないと買った人も納得しないからというのもあると思うが。
しかし、少なくともここまで読んできて、全く聞いたことのない説を持ち出しているという部分はあまりないというのが正直な感想だ。基本的にこれまで言われていることをベースに、自分なりのリサーチ結果を加えてよりよいものに仕上げたという感じ。この辺が「ハック」という感覚なのだろうか。
私自身も昨日紹介した丸元淑生の本に出会ってから、全粒粉でチャパティを焼いてみたり、大豆サラダを作って食べてみたりしてきたが、正直今ひとつ納得いかなかった部分もあった。
システム自炊法―シングル・ライフの健康は、こう守る (中公文庫)
- 作者: 丸元淑生
- 出版社/メーカー: 中央公論社
- 発売日: 1990/05
- メディア: 文庫
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それは主に味の部分である。体が必要としているものは恐らく快感原則によってその時々で「美味しく感じる」というシグナルによって自分が正しいものを今食べていると判断できるのではないかと思うのだが、丸元流だと、ある範囲内に限られてしまうので、その食事を楽しめる所までは正直修行に近い。
確かに無水で蒸したブロッコリーはうまく出来たときは食べると本当に美味しいのだが、そればっかり食べ続けるというのも無理があると思う。その点で、この「最強の食事」はもう少し幅を広げてくれることを期待していたが、その点はあまりなさそうだ。むしろ丸元になかった視点として、カビ毒による害を除去しなければならないという視点はさらに食事をとるときに神経質にならなければならないので結構げっそりする。
バクテリアの毒を無毒化する方法を誰か発明してくれないだろうか。それによって無毒化された材料で作られた食べ物こそが「最強の食事」のような気がするのだが。