常盤平蔵のつぶやき

五つのWと一つのH、Web logの原点を探る。

面白いという言葉では言い表せない面白さ  「鳩の撃退法」(上・下)を読んだ

2024年はじめの(ブログ向け)読書(しかし既に3月) 2024年も既に3月である。月に三本ブログを書くという目標も、そもそもそんな目標があったのか?と言わんばかりに全く達成できていない。そして既に3月もほぼ中旬である。今月もゼロのままで終…

杖道がうまくなるために何冊か本を読んだ

今年も残すところあと1週間 師走である。と思っていたらもう既に月の半ばを過ぎていた。今年一年をほぼ終わってみて、結局のところ「ブログを月三本書く」という目標は果たすことが出来なかった。十二月もこれを書ききれなければ0になる所であった。別に誰…

ジョードー、アウェイクンズ  ~ひさびさに杖道について書く~

アフター・ディケイド 私が杖道の修行のため現在の団体の門戸を叩いて既に10年以上が経過した。さすがに「十年一昔」というだけのことはあって、その間に色々なことがあった。その中でも最大の変化は、私が入門した団体の師範がちょうど一年前ぐらいに他界…

ターミネーターとの終わりなき戦い ~「未来から来た男 ジョン・フォン・ノイマン」を読んだ~

すっかりご無沙汰 ブログを書く習慣がなくなってしまった。せっかく暑い暑い2023年の特別な夏が終わって、少しはまとまったものを考えることができるような気温になったのに、なぜ書けないのか? 一つには趣味で続けている杖道の審査や試合があったため、集…

俺はこう生きる(生きた?) 〜「君たちはどう生きるか」を観た〜

巨匠のカーテンコール? 既に一ヶ月ぐらい前の話になってしまったが、表題の作品「君たちはどう生きるか」をもちろん(ツンデレ)吉祥寺ヲデオンで見てきた。画面の下は前列の観客の頭によって連なる大山小山の形で欠けているが、そんなことは全く気にならな…

傴僂女は出産の夢を見るか? ~「ハンチバック」を読んだ〜

欲望を育てる ちょうど一年ぐらい前に「家を買う」という、ある意味普通の人間なら人生最大の決断のために、欲望を育てるということについて考えてそれをブログに書いた。生きるために必要なものの一つが、どんな形のものであれその人の「欲望」に根ざしたも…

出欠の葉書は二度郵便受けに届く  ~「苦役列車」を読んだ~

実家へ 昨年の秋から中国出張が続いていたおかげで、年末の帰省もできなかった。その前もコロナを理由にかなりの期間実家には帰っていなかった。そこで今回の出張で溜まった代休を利用して実家に帰る事にした。東京から名古屋は新幹線のぞみ号に乗れば1時間…

予め訓練された(おしゃべり)生成トランスフォーマー 知性とは何かなんて答えられないがChatGPTについて考える

3ヶ月ぶりのブログ更新 2016年にはてなブログを開始してから、3ヶ月更新しなかったというのは記憶にない。一ヶ月ぐらいは何度かあった気がする。何故こんなに長い間更新しようと思わなかったのか?おそらくその答えは「中国出張中だったから」なのだが…

ずっと待っていたもの〜「すずめの戸締まり」を観た

またまたオデヲン 結局のところ、家から近い映画館というのが一番使い勝手がいいのは確かだ。まして、いつも突然思い立って観に行くので、近い方がいいに決まってる。前回「シン・ウルトラマン」を観た時に書いたブログで「吉祥寺オデヲンでは観たくない」と…

書きあぐねている訳ではないけれど書けていない〜  「書きあぐねている人のための小説入門」を読んだ

Twitterで知った 毎度おなじみ「小説の書き方」本をまたまた(パイプのけむり)読んでしまった。既に何冊目なのかは全くカウントしていないのでどうでもいいのだが、いずれにしてもかなりの作家の小説の書き方的な本を読んできた。その中で記憶に残っている…

あとから生まれたものの不幸について

1976年生まれの憂鬱? 今現在四〇代の人は時節のめぐり合わせが悪かったらしく、大変な辛酸をなめてこの現代を生きているらしい。そういう話をまさに四〇代の友人から聞いた。その人は研究職なのだが、このネットの記事を読んでどう思うかと聞かれたので、今…

キングダムからの帰還~ 中国から帰ってきました

明けました 改めて、あけましておめでとうございます。2023年もよろしくお願いします。去年に引き続き今年も一ヶ月に三本ブログをアップすることを目標にする。別に誰に頼まれているわけでもない文章を、月に三本書いてアップするというのが意外に難しい。最…

年貢の納め時が来た?~ 本場中国でコロナ感染爆発に遭遇した

ちょうど三年前になるが、今と同じように出張で中国に滞在していた。これも同じく広東省の中を移動しつつ何軒かの工場を回っていた。いろいろな事情が重なって、年内に帰国出来ず、二〇二〇年一月二日の便で帰国した。そしてその年コロナ感染が始まった。実…

食は広東に在り、心の平安は食に在り〜 中国滞在中の食事について

衣食足りて礼節を知る 中国滞在中は気軽に雑記を書くというつもりでいたのだが、12月に入り仕事が佳境になってブログを書く暇も無かった。ようやく帰国の日取りも近づいて仕事もひと段落した(……そうでも無いかもしれないが)ので久々に書きたいと思う。「衣…

ユーラシア大陸の地平線に陽が沈む(25回)〜 中国に来てほぼ三週間が過ぎた

地上21階の窓から前回の更新からまただいぶ時間が経ってしまった。朝五時に起きて移動した先のホテルでまた、仮の住処を手に入れたわけだが、その部屋は地上21階だった。日本だとタワマンでも買わない限りこんなところで毎日寝起きする生活というのは出来な…

テクノロジーは世界を救うか?〜 隔離から解放された

朝五時のスネークiPhoneのアラームが鳴った。朝五時に鳴る様にセットしておいたのだから当然だ。大塚明夫さんの声で、というか、スネークの声で「いつも自分の意思で起きてきた」と言われると身が引き締まる思いがする。さあ脱出ミッション開始だ。昨晩フロ…

Covid19 Stranding〜 隔離がそろそろ終わる

隔離終了日が近い何度もこのブログでは取り上げているが、私の好きな小島監督の「デス・ストランディング」というゲームがある。PS4、PS5か Windows PCを持っていないとできないので、私が思っているほど世の中の人はこのゲームの内容を知らないのではないか…

世界と繋がっていると感じるか?(CELLS!)〜中国で隔離された

中国についた中国に入国してから7日目になった。隔離期間としては6日目ということになる。渡航した日はカウントしないというのは、ビザも同じなのでそのほうがいいのだが、隔離期間に関しては1日でも早く終わって欲しいので、移動日もカウントしてほしいと…

日本語の通じない世界へ~  二年ぶりに中国へ出張する

コロナの終わり、変化の始まり長かったコロナ禍が収束の兆しを見せている。まだまだ、もう一度盛り上がってくる可能性もないとはいえない。しかし、進化論的見地からみると、感染力の強化と宿主へのダメージは二律背反なので、感染力が強くなった代わりに弱…

天敵の天敵は友達だ、世界に広げよう天敵の輪~  「天の敵」を観た

初本多劇場 2022年10月2日下北沢の本多劇場でイキウメの「天の敵」を観た。 前回の「Shoot me Show me」を観て、すっかり演劇を見る楽しさが蘇ってしまい、次!、次のをくれ~!!という状態になっているところへ、日経新聞の紹介記事を読み、そのままLoppi…

流れよわが涙、とオーディオ素人は言った~ 「これならできるスピーカー工作2020」でスピーカーを作った。

中学生が考える恋愛 NHK Eテレで放送している「ロッチと子羊」という番組で「恋愛とはなにか」について女子中学生が質問していた。ロッチの二人が、その質問に対してかなり含みのある笑顔をしていた。私も全く同感だった。含むところをあえて書けば「そんな…

東京人の関西弁コンプレックス?~  やみ・あがりシアター「Show me Shoot me」を観た

久々の観劇 2022年9月8日、久しぶりに劇場で演劇を観た。ちょうど一ヶ月前に三鷹に引っ越してきたが、三鷹芸術文化センターが歩いていける距離にあるため、これからは興味の湧いた公演があったらできるだけ見ようと考えていた。早速その機会がやってき…

老婆の怒りは庵を焼き払う~ 「隠蔽捜査3 疑心」を読んだ

ちびちび読書再開 新しい家に来て引っ越しの荷ほどきも終わり、なんとか毎晩落ち着いて寝床に入ることが出来るようになった。眠りに入る前の「ちびちび読書」もやっと再開すること出来るようになった。引っ越したらぜひ読もうと思って取っておいたのが、今回…

毎夜、歴史を作る~ ついに家を手に入れた

サヨナラは八月のララバイ 令和四年八月八日。八と八が重なる末広がりの縁起の良い日(もちろん大安だった)ついに念願のマイホームを手に入れた。アメリカではトランプ元大統領の自宅にFBIがガサ入れをした日だが、8月8日と言うのはニクソンが捕まった日…

想像力に責任を持つ?~ 「海辺のカフカ」再読 (3)完結編

tokiwa-heizo.hatenablog.com tokiwa-heizo.hatenablog.com 灼熱の季節 海辺のカフカとは全く関係ないが、ここのところ暑すぎる。暑さで全てが過負荷…… こう言えば関係ある? と無理やり言いたくなるぐらい暑い。言うまでもないが気温の話だ。関東周辺でも観…

夜明けまで考える日~ 「坑夫」を読んだ  「海辺のカフカ」再読(2)

「坑夫」の概略 日本で最も長い在任期間を持つ元首相が暗殺された日に「坑夫」を読み終えた。別にその事自体になにか意味があるわけではない。小説としての「坑夫」は私にとって大変面白かった。話の筋は単純である。ある青年が銅の鉱山で五ヶ月間働いた。た…

四つの視点と一つの命題~ 「小説の読み方」を読んだ

海辺のカフカを再読しているが・・・ 「海辺のカフカ」再読中にカフカの「流刑地にて」を読んで、その後夏目漱石の「坑夫」を読むつもりなのだが、脱線ついでに本屋でたまたま見つけた平野啓一郎の「小説の読み方」を読んだ。その前作である「本の読み方」は…

処刑機械をリアルに想像する~ 「流刑地にて」を読んだ 「海辺のカフカ」再読(1)

「海辺のカフカ」再読 村上春樹の「海辺のカフカ」を再読している。なぜ今「海辺のカフカ」なのか? は全部読み終わったときに書くことにしたい。再読と言っても二回目だが、一度は読んだはずなのに、全然覚えていないエピソードがたくさん出てくるのは自分…

来たぞ、我らの・・・?「シン・ウルトラマン」を観た

吉祥寺オデオン 正直、オデオンでは観たくない。しかしながら、家から一番近い映画館であるという一点の理由により、急遽思い立って見に行く映画の場合かなりの高確率でこの映画館のシートに座っている。何が問題かというと、根本的に座席の設計が古いため、…

言葉のメタファーとしての刃物

切れない刃物で切ると 昔、裏面に糊の付いた紙をハサミで切っていて、刃に糊がついてしまったので、その糊を指で剥がそうとしたことがある。ちょっと考えれば分かりそうなものだが、刃のエッジに着いたものをその刃に沿って指で擦ったらどうなるか?糊が取れ…